2006年07月12日

Morse Moose & Grey Goose (Paul McCartney)



ポールの作による、ヘヴィロックナンバー。

アルバムを締めくくるのは、初期ビートルズやジョンを思わせる
ハードなロックナンバーでした。絶頂期5人WINGSでの最後の曲にも
なったこの曲は、洋上セッションでのレコーディングです。

ポールが弾くロックベースのリフで曲を引張り、ロックVocalも
強烈に印象を残します。大規模なツアーを終えたポールのVocalは
それ以前のものに比べて幾分ハスキーな感覚を残しています。

大胆なブラスセクションの挿入もあったり、ストリングスのオーバーダブ
も施されたりと、あらゆる手を尽くして音を厚く仕上げている印象です。

壮大なエンディングは、ポールの趣向でしょうか、ビートルズであれば
もう少しあっさりとしたアレンジで仕上げていたかも…と思わせます。
posted by あらっち at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | LONDON TOWN (Paul '78) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月11日

Don't Let It Bring You Down (Paul McCartney-Denny Laine)



ポールとデニーの共作による、切ないバラードナンバー。

リコーダーとフラジョレットという縦笛の音色が、心底切ない楽曲です。
アコースティックな味わいが強い、しっかりと5人体制での作品です。

高低差の激しいメロディで、2オクターブはあるかという音階を、いとも
たやすく、上手にファルセットを使いながら歌いこなすポールです。
そこに重ねて哀愁感をも漂わせる、素敵なVocalと言えます。

ワルツナンバーということで、この時期“Mull Of Kintyre”と並ぶ作品
となっています。アウトロで光るのが、トーンを落としつつ、歪ませた
ジミーのリードギターが、更に切なさを募らせるサウンドです。

ポールがどうしたかったのかを、上手に繰り広げることができていた、
活動期間が短いことが惜しまれる、絶頂期のWINGSメンバーでした。
posted by あらっち at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | LONDON TOWN (Paul '78) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月10日

Name & Address (Paul McCartney)



ポールの作による、軽快なロックナンバー。

ポールの「声の七変化」とはよく言ったもので、ここでは太目のVocalを
聞かせてくれるのが特徴です。古くは“Lady Madonna”から継承される
Vocalですが、エルビス・プレスリーをも意識したようなものです。

全体的にエコーを掛けたサウンドが大きな特徴で、演奏の荒っぽさを
さらに引き立てるようなアレンジです。しっかりとBANDサウンドになって
いるものの、実はポール/リンダ/デニーの3人編成演奏でした。特に
リンダのコーラスが、単調な曲に彩を加えてくれます。

荒っぽいとはよく言ったもので、エンディングのラフな(唐突な)仕上げは
リハーサルそのままを無理やり収録したような感じをも受けます。録音
した素材を「とにかく出してしまいたかった」のでしょうか。
posted by あらっち at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | LONDON TOWN (Paul '78) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月09日

Deliver Your Children (Paul McCartney - Denny Laine)



ポールとデニーの共作で、デニーのVocalによるフォークロックナンバー。

イントロから弾かれるスパニッシュギターの音色が、この曲の印象を
決めてしまうインパクトを持っています。弾いているのは恐らくポール。

初冬を思わせるような雰囲気には、デニーの枯れたVocalがハマっています。
“The Note You Never Wrote”で掴んだ雰囲気を上手に継承していると
言って良いでしょう。そこにポールのハーモニーが、ハイトーンで重なり
ます。デニーを引き立てる、良いハーモニーです。

アップテンポな8ビートを基調としていますが、曲の終盤でリズムを変化
させ、リタルダント気味にエンディングを迎えるのは、余韻を残して
去っていくかのようです。
posted by あらっち at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | LONDON TOWN (Paul '78) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月08日

Famous Groupies (Paul McCartney)



ポールの作による、重厚感あるPOPナンバー。

ポールにとって久々の「物語性」溢れる作品の登場です。
元々、ストーリー性ある作品を書くのが得意なポールですから、この手の
筋は深い仕上がりになっています。今回は、WINGSのツアーで見かけた
グルーピーの話を展開させます。

アコギのカッティングや、Vocalを幾つも重ね録りし、コーラスに至っては
ある種「Wall of sound」を思わせるかのような重厚ぶりです。そんな中
ポールのVocalはソフトな面とハーフスポークンな面と、多様に変化します。
エンディング近くは、「アナウンス」風の語りまで挿入されます。

洋上にてレコーディングされ、5人WINGSでの作品ですが、ストレートな
ロックでもなく、アコースティックな味わいを見せてくれる深い作品です。
posted by あらっち at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | LONDON TOWN (Paul '78) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月07日

With A Little Luck (Paul McCartney)



ポールの作による、軽やかなPOPナンバー。
シングルカットされ、全米1位、全英5位が最高位。

ポールの優しい表情が目に浮かぶような楽曲です。全編エレピを中心とした
サウンドで、音像自体は「ふんわり」して、エッジ感の無い印象ですが、
朝靄の中から顔を出す朝日のイメージをも感じます。

「少しの幸運があれば、やり遂げられる」と、いかにもポールらしい、
前向きで「全面肯定」の詩作が、聞く者にホッとさせてくれます。
ポールのVocalも前半はソフトながら、エンディング間際ではシャウト気味
に変化し、両面を堪能することができます。

シングルでは、中盤部の「インスト部」が大幅にカットされた編集が施され
ましたが、この曲の雰囲気を上手く表現するのは、跳ねるリズムが軽やかなそのインスト部でした。
posted by あらっち at 00:00| Comment(5) | TrackBack(0) | LONDON TOWN (Paul '78) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月06日

I've Had Enough (Paul McCartney)



ポールの作による、軽快なロックナンバー。

のっけからディストーションを効かせた、ジミーのギターリフで幕を開ける
ロックナンバーですが、シャッフルビートを基調としたノリで、聞くもの
を惹きつけます。“Hi Hi Hi”からの正統な流れを汲んだ楽曲とも言える
でしょう。

Aメロとサビを繰り返す構成は単純と言えますが、太目のサウンドに仕上げた
ギターとドラムの間奏部が挿入されたり、最終バースでのハーフスポークン
Vocalなど、飽きさせない工夫を感じ取れます。

シングルカットされたことでPVが作成されていますが、既にジミーとジョー
は脱退後で、後の加入メンバーとなる2人が参加していて、実際の演奏者と
PV出演者が異なっているという結果を生み出しています。
posted by あらっち at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | LONDON TOWN (Paul '78) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月05日

Girlfriend (Paul McCartney)



ポールの作による、軽やかなPOPナンバー。

ポールやメンバーのファルセットVocalが心地よく響く楽曲です。
ポールはマイケルジャクソンをイメージして作曲したようで、その
ファルセットVocalも明らかに意識したものと思われます。

この曲も3人体制での作品で、全ての楽器をポールが演奏、デニーとリンダ
はコーラスのみという隊形です。相変わらずのマルチぶりで、間奏部の
転調後のハードなギターもポール風味が溢れています。

後年発表されたBEST盤“WINGSPAN”にも収録されましたが、よりヒットした
“Say Say Say”ではなく、こちらを収録しているのが興味深いです。
マイケル自身も、後にカバーしているようです。
posted by あらっち at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | LONDON TOWN (Paul '78) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月04日

Children Children (Paul McCartney - Denny Laine)



ポールとデニーの共作でデニーのVocalによる、フォークPOPナンバー。

デニーが主に作曲し、ポールが手直ししたという楽曲で、デニーのカラーが
色濃く出ている作品です。バッキングの殆どの楽器をポールが担当し、
当時息子のジェームズ妊娠中のリンダがコーラス、デニーがギターを
担当しました。

デニー作のバラードとしては珠玉の出来かと思われます。Vocalの枯れた
味わいが、何処と無く初冬を思わせます。少し擦れたようなデニーのVocal
はこういったアレンジがぴたりとハマります。

絶頂期だった5人のWINGS演奏も収録されているのに、アルバムジャケットは
3人。モノクロームのジャケット写真も合わせて、その事態を象徴する1曲
とも言えるでしょう。
posted by あらっち at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | LONDON TOWN (Paul '78) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月03日

Cuff Link (Paul McCartney)



ポールの作による、幻想的なPOPインストナンバー。

前曲“Backwards〜”が突如終わるアレンジを引き受けて、間髪入れずに
メドレーのように始まります。この曲もポール1人によるレコーディングで
アルバム“McCARTNEY”収録曲のような雰囲気を携えます。しかし機材が
しっかりしているからでしょうか、安っぽい音にはならず、どことなく
高級感溢れるサウンドに仕上がっているのが相違点です。

リズミカルなオルガンが曲を引っ張ります。ドラムの味付けは、ポール
ならでは雰囲気があります。やはり左利きだからでしょうか、独特の
手癖があったり、スネアやタムの音量が大きいところが特徴です。

posted by あらっち at 00:00| Comment(3) | TrackBack(0) | LONDON TOWN (Paul '78) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。